「天変地異の黙示録」(小松左京)

本日、通勤中に読んでいた「天変地異の黙示録―人類文明が生きのびるためのメッセージ」(小松左京パンドラ新書)を読み終えた。

「書かれてからもう半世紀近く経ってるのか。これを書いてた頃の小松先生よりもずいぶん年上になっちまったし、科学も進んだから、かなり余裕を持って読めるなあ」などと途中までは思いながら読んでいたのだが、最後の「第四部 地球政治時代への提言」に、

『人類社会全体として、過去にくらべてずっと増大している大きな不安・不安定要因としては――奇妙にきこえるかもしれないが――、全世界をむすぶ「同時性通信網」の高度な発達と密度増加により、今日に生きる一人一人の人間が、昔にくらべて、ずっと「精神的に傷つきやすく、鋭敏になっている」ということである。』

というくだりを読んで、愕然。まさに至言。1970年代にこれを語れたというのは、恐るべきことであるなあ。