「〈弱いロボット〉の思考」(岡田美智男)

今日は次の仕事の面談のため、新大阪まで往復。
その間に、失職前から読んでいた「〈弱いロボット〉の思考 わたし・身体・コミュニケーション」(岡田美智男:講談社現代新書)を読み終えた。
著者は、ロボットを使ってコミュニケーションの研究をしている大学教授である。
少ない予算のなかで、いかに知的(に見える?)ロボットを創るかについての試行錯誤がこの本のメインで語られている。
筆者は――予算が少ないからというだけではないだろうが――ロボットがより多くを自分で判断し行動するよりも、判断や行動を環境(としての人間)に委ねてしまった方が、少ないリソースでより多くのことを成し遂げられるとする。
知性というのは環境との相互作用で発現するという考え方を、より極端にしたような論点ですね。
掃除ロボットにとって、壁や家具などの障害物さえもが、筆者は掃除するための障害物ではなく「味方」だとするほどである。
まあ、そういう考え方もあるのか、と感じさせてもらった一冊であった。